9月入学になったら。米国大学での自分の実体験から、学校環境やビジネスの変化についても想像してみます。

今日は最近聞かれるようになった「9月入学」について、私が若いころに米国大学で実際に体験したことをもとに書いていきます。

<もくじ>
●日本の学校が9月入学になったら。
●9月入学だった米国大学へ留学してみて。

このブログ「小山ケイ:Feel this precious moment」はいくつかのカテゴリーに分かれています。今日は「徒然なるままにひぐらし。」のカテゴリーで書きました。同じカテゴリーで前回書いた記事は下からごらんになれます。

●日本の学校が9月入学になったら。いろいろ想像してみます。

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私が母校青学から米国大学に編入学したころ、米国大学は9月入学制度を採用していました。

Oregon大学はsemester制と呼ばれる2学期制で、秋から年末にかけての学期と、新年から夏休み前までにかけて始まる学期の2つの構成です(夏休みにも集中講座のような授業がいくつかあり、そちらの単位も取得すれば卒業単位として加算されます)。

数か月でひとつの授業が終わってしまうsemester制がなんとなくせわしなくていやだ、と言って他校に移っていった友だちもいましたが、数か月間で授業が終わるリズム感は私にはそれほど違和感はなかったです。

ちなみに、“semester”という言葉はドイツでも使われているそうで、ドイツに留学していた友人は「メスターって発音する」と教えてくれました。英語では「メスター」です。しょっぱなの発音が違うんですね。

4月入学と9月入学、どちらがいいか、という議論はお役人さんをはじめとする専門家にお任せするとして、今日は私が自分で実際に体験したことや、それらに基づいて想像力を働かせてみたいと思います。

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★他校に編入学しやすい。

★長い夏休みに語学学校へ通える(新年度に向けて)。

★卒業もそれぞれ。冬に卒業する人、夏休みが終わってから卒業する人もいる。ただし、夏休み前に卒業していく人が大半。

★米国はSummer Timeが導入されているせいか、9月入学は自分の体内時計に根差した「感覚」とマッチしていた記憶があります(目に入ってくる光の加減や気温などをよりどころとして「いまだいたい何時ごろ」と感じることとSummer Timeが切り替わるのがちょうど9月ごろなので)

★新学期前の夏が小売店はかき入れ時となる (Back-to-school saleがいたるところで開催)

★新入生や編入学者が銀行で行列。

★学校の事務局も9月前が一番忙しそう。

★夏休み中と冬休み中にBookstoresで教科書を買う「儀式」(大勢の学生でごったがえします)。→ 中古品も「Used」としてBookstoreで買い取ってくれるので、同じ時期に本を「売る」学生も多い。

★不動産屋が忙しそう。部屋の空きが少なくなる(大学周辺)。

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◆日本の就活風景が相当変わる。

◆夏休みの風景も相当変わる(短期留学。就活。インターン。旅行。蒸し暑い日本の夏をゆっくりやりすごす。新しい学期に向けて)

◆海外からも留学生。それも編入学する学生が増える(?)。

 

●9月入学だった米国大学へ留学してみて。

私自身は夏休みが明けてから卒業しました。

大半の学生は夏休み前に卒業していきますが、私は夏休み期間中に開催されていた授業も取っていたので、それが終わってからです。

それぞれの都合や計画、事情に合わせて卒業時期が選べたのはいち留学生にもありがたかったです。一律に「4月入学、3月卒業」はびしっと統制がきいて規律を重んじる日本らしいとは思いますが、それに窮屈さを感じる子もいるはずです。事情があって学校を長期休んだとか、転校したとか、全日制から定時制に変えたとか。

どこまで議論されているのかはわかりませんが、9月入学が議論され始めたのであれば、卒業年度もそれぞれに選べる柔軟性ある学期制度の導入も検討してほしいですね。昨今「ダイバーシティ(Diversity)」がいろいろな場面で取り上げられるのですし。

オンライン授業が出席制の授業と同じく主流になると、より柔軟性のある学校制度が求められるような気はします。

みんながみんな、コンピュータを持っていたりコンピュータが使えたりするわけではなく、通信状態や契約内容などもそれぞれでしょう。スマホにしても同じです。

学費も、通信費も、教材費も、すべて自分で支払っているという学生もいる。

コロナウイルスの世界的な感染拡大によって、国や社会としての日本がどういう姿である、というのがさらに見えたと思います。

規律を重んじる人が多い一方、お役所はやっぱりスピード感からは残念ながら程遠いです。システム自体がスピード感を達成できるようにもともとなっていないということが最大原因ですが、こういう時間のかかり方はビジネスではありえないです。うちのようなちっちゃな会社がこんなに時間食ってると「もういいよ」と取引先から袖にされてしまいます・・・(どうですか?他の小規模、中小企業のかたたち)

米国大学に編入学してみて、学校側からの縛りがこんなにも緩いんだということに驚いた記憶があります。

だからこそ私も日本から自由に単位を移動させて編入学できた。ほとんどの単位が認められつつ(青学とオレゴン大学が交換留学制度を輸していたことも「吉」と出たのだと思います。私は交換留学生ではありませんでしたが・・・・)。

なんとなくゆるーい雰囲気が学校生活全般に漂っていたことももちろん事実です。その分、自分のやりかたで卒業までのシナリオを描けました。もちろん、自分の責任で。

(図書館も学生証のある学生だけ、なんてケチなことは言わず(笑)、市民誰もが自由に出入りできましたね。オレゴン大学では)

9月入学をはじめて議論し始めたかたたちって、海外赴任・留学経験のあるかたがたなんじゃないかなぁ、とちらと思ったりもしました。

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1年前のちょうど今日、この記事を書きました。

“9月入学になったら。米国大学での自分の実体験から、学校環境やビジネスの変化についても想像してみます。” への2件の返信

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