【効果的な部下の育て方】「なぜ(理由)」を伝えると理解が促されやすい。

新卒で信託銀行へ入社し、MBAを取得して、15年以上に渡って「気候変動・地球温暖化・ESG投資・環境CSR」に特化した専門翻訳会社を経営している私・小山ケイが、今日の記事では、新しいことなどをはじめるときに、「なぜ?」が分かるほうがより理解しやすいことについて書いています。

 

<もくじ>

●効果的な部下の育て方:「なぜ」という理由を伝えると理解が促されやすい。

●英語という言葉を覚えるのもそう。



昨日は下の記事を書きました。

●【効果的な部下の育て方】「なぜ?」を伝えるとより理解が促されます。

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いま某所で新しいことを

習っているのですが、

私が長年の人生のなかで

経験してきたことから得た

こととして、

「なぜ?が分かると

新しいことの理解はより早く

習得でき、かつ理解が深まる」

ということがあります。

どういうことか。

仕事を例に挙げみましょう。

新しいことを先輩が新人さんに

伝える場合、

「これやって」「あれやって」

「この手順はこうこう」

とものを右から左へ流すように

伝えるだけでは

相手の理解は深まらないということです。

銀行員時代の直属の先輩は、

私にものを教えるとき、

いつも

「ここにはハンコおして

ここにはこの数字を書いて

そしてこれはこのファイルに綴じる」

みたいに、「やりかた」を教えては

くれるのですが、

「それは、なぜ?」には触れない人でした。

でも、「なぜ、それをするのか」が

分かると、

理解は一気に深まります。

その新しいことがすぐに習得されやすい

ということに私は次第に

気づいていきました。

モチベーションの例え話で、

石工の話があります。

ある石工は親方から

「ここを彫れ」としか言われていないので

自分のしていることがなんのためなのか

まったくわかりません。

ところが、

別の石工は、「これからここに

歴史に残るような高い塔を作るから、

そのためのしっかりとした土台を

つくるために、ここを彫ってほしい」

と言われています。

前者は「自分はこの硬い石を

削らされているだけだ」と

いやいや仕事をし、

後者は「自分は歴史に残る

高い塔を建てるひとりとして

この作業に土台づくりで

関わっているのだ」

とビジョンを持ちながら

仕事に前向きに取り掛かる

というものです。

これは、仕事の理解を促す方法論

という点からも、

私は自分の経験から

同じことが言えると思っています。

人に何かを教えたり、

伝えたりするさい、

「それをするのはこういう理由から」

「それをすることによって

次にこういうことができるから」

「あなたの仕事を引き取った人は

そこから次にこういうことをするから」

等、

「なぜ?」を拠点に

その仕事がどのパーツにあるのか、

重要度はどのくらいなのか、

その仕事によって

他の人たちはどのように動くのか

を伝える。

そうすると、説明されたほうは、

その手順の根本を自分の頭で

理解できるので、

手順がシミュレーションという映像

となって、頭のなかに組み立てられ

やすくなるのです。

そのやりかたが「理にかなった」

やりかたである限り。

茶の湯では、空の茶碗にいったん

湯を入れてから建水という茶器へ

その湯をすてるのですが、

それはまるで紅茶やコーヒーを

淹れるまえにカップを温めるのと

同じ理由からです。

だから、多岐にわたる茶の湯の手順も、

「客人においしい茶を

差し上げるために、

まずは茶わんをいったん湯で

あたためるのだ」と理解すれば、

湯をいれたり建水に捨てたりする

手順がいつ行われるべきか、

おのずと理解できます。

ご自分で何か習い事をしたり

勉強したりするさい、

「なんでそういうことをするか」

を考えると

より頭の中に定着しやすいですよ。

●「英語」という言葉を覚えるのもそう。

たとえば、英語を覚える際、

やみくもに単語を覚えようとしても、

初めてみる言葉のスペルも意味も、

なかなか頭に入ってこないですよね。

でも、先日の記事で私が少し触れたように、

たとえば語尾に「ee」がつくものは

「被」という意味があったり、

「a」が接頭語としてつくものは

そのあとにつづく言葉と反対の意味が

あることや、

古代に戦いや貿易などを通して

ラテン語から借用(borrow)した言葉が

英語には多数あって、

それらは比較的、文字数が長いことや

(spontaneous, matrimonial, expression等)

「ma」がつくものは母系、

「pa」がつくものは父系の言葉であること

を理解していると

「maternal(母方の)」や

「alma mater(母校) 」、

「paternal(父方の)」の言葉も

覚えやすいと思います。

自分だけではなく、

大勢で道をふさいでしまったときは、

自分ではなく「自分たち」が詫びるのだから

「Excuse us」となることも

単純に「Excuse me」と覚えるよりも、

「自分ひとりが詫びているのだから

“me”であって、

自分たちであれば”us”をつける」

「なぜ?」を理解したほうが

頭に入りやすいんじゃないかな。

ここにハンコを押すのは、

このあとの事務処理の人が

もし問題を見つけたときに

そのハンコの人に尋ねることが

できるから

ここに数字を書くのは、

その日一日に入力したデータの

出力分を夜に、

すべて集計する必要があるから、

順番に「1,2,3,4」と

それぞれ記入しておくと、

夜の集計の人が作業効率が

よくなるから

それほど重要ではないコンピュータを

「メイン」と呼ぶのは、

本当はそのとなりのコンピュータが

母体なのだけれど、

母体をメインとすると、

これが壊れたりしたときに

他のすべてのコンピュータも

ダウンしてしまうから

他の「子」のうちのひとつを

メインコンピュータと便宜上

している。

という具合。

どうしても人は、

やりかただけを教えて

「なぜ?」に触れないことが

多いです。

時間もかかるし労力がいるから。

それなら、「なぜ?」を自分の頭で

考えると、

「ああ、そういうことか。

だからこれをするんだ。これを

やらないといけないんだ」と

理解できます。

どうしてもわからなければ、

教えてくれた人に「どうしてこれをするんですか?」と尋ねればよいのですし。

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