【ビジネス英語】Keynes’ beauty contest「ケインズの美人投票」 – 小山ケイの翻訳コーパスから8

今日の記事では、米国大学を卒業し、15年以上に渡って「サステナビリティ・ESG・気候変動・地球温暖化対策・環境CSR(企業の社会的責任)」などに特化した専門翻訳会社を経営している私・小山ケイが、”Keynes’ beauty contest”(ケインズの美人投票).”について書いています。

<もくじ>
●小山ケイの翻訳コーパスから8 – ”Keynes’ beauty contest”(ケインズの美人投票) 
●”Keynes’ beauty contest”に必要なもの。
●”Keynes’ beauty contest”の発音

このブログ「小山ケイ:Feel this precious moment」はいくつかのカテゴリーに分かれています。今日の記事は「英語(潜在意識を味方につけて)」のカテゴリーで書きました。同じカテゴリーの過去記事は下からご覧になれます。

●【ビジネス英語】Keynes” beauty contest「ケインズの美人投票」

経済学者のケインズが1936年に出版した「雇用・利子および貨幣の一般理論」にて、機関投資家などのプロの行動について「美人投票に似ている」と例えた話です。

経済学部や経営学部で習った、というかたも多いのではないでしょうか。

たしか1930年代の米国や英国の新聞では、「美人として多くの投票を得た人に『bet』した人には賞品が当たります」というような催し物があった、と聞いたことがあります。

ミソは、「自分が好きかどうか」ではなく、「他人はだれをいちばん選ぶか」。

それにプロの金融投資をなぞらえた。

 

この話を聞くたびに私は、「景気は人の『気』にも左右されやすいんだわ」とあらためて感じます。

アタマを使って数学や統計学の計算をしても、相場は人間の思惑や感情・感覚にも左右される。

それも、ゲーム理論 (Game theory) の駆け引きを利用しながら。

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おおざっぱに説明すると、金融市場は「これいい!気に入った!(自分の思い入れ・好み)」という銘柄ではなく、「これが値上がりするだろうな。儲かるだろうな(駆け引き)」で機関投資家などのプロは売買するということ。

ようするに、物差しが他人やまわりに左右される。

自分じゃない。

手鏡

自分が「MBAとりたい!」ではなく、「MBAとったら他人は自分をどう評価するだろうか」「企業は自分をどう評価するだろうか」に似ていると私は思います。

商学部用語で言ったら、まさに「マーケットイン」

「市場(消費者)はいま、何をいちばん欲しているだろうか」「何を市場に商品として投入したら売れるだろうか」という発想。

大手町のビル群

自分が「いい」と考える銘柄ではなく、「多くが良い(悪い)と評価するであろう銘柄」に自分の「一票」を当てていく(あるいは外していく)。

または、「いまのこの流れ・金利であれば、この銘柄が安く売られる」。

 

買い銘柄(安く買える。それでいていずれ株価上昇する可能性がある)(ボラティリティが低い)(ハイリターンが望める)などなど。

売り銘柄(高く売れる。塩漬けにならずに。それでいてもうそれ以上、上昇するとは考えられない。あってもかなり先)などなど。

ホールド

 

実はこれって、ブログの記事にも似てるんですよ。笑

ブログの世界には「Google神」と呼ばれる神様がおわします。

Google Japan in Shibuya, Tokyo

自分が「書きたい!この話題、大好き!」で書くよりも、「どれが検索されやすい話題か(Googleで評価されやすいか)」に充てて記事を書いていくほうが、「賞品(検索ヒット)」が得られやすい、と言われています。

そして、それを教えてくれるプロもたくさんおられます。

映画やテレビドラマのプロデューサーの感覚もこれに近いと思います。

「俺・私はこの作品・役者・アイドル、それほど好きじゃないけど、視聴者受け(視聴率)はいいだろうな」で製作作品・配役を選んでいく。

 

「Keynes’ beauty contest」は金融市場だけではありません。

★映画・テレビプロデューサーの作品・役者・アイドル選び

★起業するときの商材選び(なにが市場受けいいか)

★ブログ記事の選び方(別に書きたいわけじゃないけど、検索にひっかかりやすいキーワードだからこれ書くか。>断っておきますが、私じゃないですよー!!(大声))

★別に好きじゃないけど、世間体よさそうだからこの男と結婚するか(って人もいるかも)。

★別に行きたくないけど、聞こえはいいからこの大学を受験しよう。

六本木ヒルズのテレビ朝日

“Keynes’ beauty contest”と聞くたび、私はマックスの好奇心を感じるのと同時に、その汎用性にガツンとやられます。

 

(つーか、「1930年代の新聞美人投票」に、かもしれませんね。ケインズがそこからヒントを得たように)。

●Keynes’ beauty contestに必要なもの。

1) 客観性。→

  「自分じゃない。まわりは何が好きなのか」

 

2)  俯瞰の目。→

  「鳥になって世の中を空から見下ろしてみる」

 

3) 他人の気持ちが手に取るようにわかる能力。

 

4) いま、人はどんなことにたくさんお金を出しているか、というビジネスの目。

 

5) 波をとらえる感覚。

 

6) ゲーム理論を理解している。あるいは天性の動物的なカンでそれを知っている。笑

 

7) マクロ経済も理解している(プロの金融投資には必須です)。

 

8) 世の中、自分独りで生きているわけではない、ということを熟知する能力。

 

9) 「一般」「平均」「大衆」を熟知する能力。→

  ”Keynes’ beauty contest” (ケインズの美人投票)は、「一番多く投票される美人を選ぶ」です。つまり、「誰もが美人だと思うだろうな」、という人

  顔の形、大きさ、背丈(とくに男性)、目と目の間のバランス(長短が平均的な長さ)、眉毛の大きさ・太さ、額の大きさが平均的(広くもなく狭くもなく)、鼻筋、耳の形、横から見て鼻先から顎の先までがきれいな直線を描いている人、頬骨の高さ、頬の広さが平均的、鼻の下の長さが平均的、唇の大きさが平均的、目の大きさが平均的、などなど。

   でも女性ってわりと、メイクでごまかせますよ。大笑

 

10) バランス感覚。→

 我を通すことも大切ですが、まわりの動きに合わせて行動しなければならないときも世の中にはたくさんあります。

●”Keynes’ beauty contest”の発音

 

1) (ここが一番、音程が高い)

2) イン

3) (母音なしで)「Z」

4) ビュー (ここも、音程が高い)

5) 「ティ」と「ディ」の中間のような音。あるいは「Li」(のちほど、説明します)

6) コン(カン、に近い)

7) テ

8) (母音なしで)「ST」

9) ケ + イン + 「Z」 + ビュー + 「Ti/Di/Li」 + カン(コン) + テ + 「ST」

*5)は米国発音です。「ビューティー」ではなく、「ビューディー(ビューリー)」に聞こえます。おそらく、舌先の動きが最小限になるからnativesはそのように発音するのだと思います。言う速度も速くなって、言いたいこと(情報)がより早く、伝えられる。

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