Oregonの思い出-Madras

●思い出のRiver Phoenix

 

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Oregonを留学先に選んだ私には行きたい場所がありました。

Madrasです。

私が高校生のときに学校の教科書よりも熟読していた映画雑誌「スクリーン」「ロードショー」には毎年、いろんな大スターのプロフィールが書かれた付録がついてきました。

その冊子を見て私が知った、いまは亡きリバー・フェニックス(River Phoenix)の生誕の地が、Madrasです。

(ちなみに、映画「Stand by Me」のロケ地は、私が住んでいたEugene市から車で30分ぐらいの距離にあるOregon州Brownsville市です。

この風景がEugeneでありOregonである、と思っていただいてもいいと思います)

スクリーンやロードショーは毎年1回、スターのプロフィール冊子を付けてくれるのですが、その冊子の「リバー・フェニックス」のページに、「出身:オレゴン州マドラス」と書かれているのを毎年見ると、「えーっ、リバフェニ(って呼ばれたんですよ、日本では)の生まれたマドラスってどんなとこなんだろう・・・?」と私はあれこれと想像をおおいに膨らませたものです。

●MadrasやPortland、Seattleまでの所要時間。

Madrasは私が住んでいたEugene市からは、車で片道5時間ほどのところだったと記憶しています。

Eugeneから5時間といえば、通称「I-5(アイファイブ)」と呼ばれる米国州間道路(Interstate Highway) 5号を時速50-60mlで通って北上したWashington州Seattle(シアトル)まで掛かる時間とほぼ、同じぐらい。

「アメリカ人が住みたいと思う都市No.1」と言われる、Oregon州Portland市(ポートランド)はEugeneからは片道約2時間弱の距離です。

(「アメリカ人が」というところが、ミソ。外国人や米国に長年住んだことのない人であれば、「あれ。ニューヨークじゃないの??」「L.Aは??」「ワイハは??」となるところでしょう。このあたりのお話もまた、いずれ。)

あとで知ったところでは、フジテレビ系列で放送していたテレビドラマ「オレゴンから愛」のロケ地もMadrasだったとのこと。

「Central Oregon」、つまりOregonの真ん中をつらぬく、Willamette 山脈を超えて、東に抜けたあたりにMadrasはありました。

ちなみに、地図上に「スキー帽をかぶってスキーをしている人のマーク」が描かれているところはスキー場があるという意味ですが、この付近は冬期の積雪量が多く、周辺道路は一定期間、封鎖されることがあります。

一般旅行者はあまり近づかないほうが無難です。現に、このあたりで遭難した人を捜索する報道が何年かまえにCNNでありました。

●River Phoenix生誕の地、Madras

マドラスの地名の由来は不明とされていますが、わたしにはまるで、インドのマドラスと関係するんじゃないか、と思えるほど、Oregon oast寄りのEugeneよりもPortlandよりも、湿度が高く感じました。

夏休みに訪れたせいもありますが、それでもEugeneやPortlandのカラっと爽やかに晴れ上がった湿度の低い地中海性気候とは異なるように思えました。

「このMadrasからハリウッドのスターダムを一気に駆け上ったRiver Phoenixが生まれたんだ」

Riverの死があまりにも突然で、それも自然な死にかたではなかったため(演技力があって清潔感のあったRiverは高校生の私にはとてもクリーンに見えたのです)、ショックを抱えた私にはMadrasへ行くことが高校生のときの淡い恋心や憧れのようなものを飛び越えた、強烈な願望となって実現したのだと思います。

実際にMadrasへ自分で車を運転してたどりついてみて、River PhoenixがMadrasのどのあたりで生まれたのか、知る由もありませんでしたが、全体的な雰囲気はやはり、のどかで視点が「平ら」でした。

高層ビルも高層マンションももちろんありません。

穀倉地帯が広がっていたり、農作物の栽培で住民の生計が成り立っていることが伺える、典型的なOregon、あるいは米国の風景が広がっていました。

●Oregonへ移住したひとやリバーの両親

Oregonはひとむかし前、California州Berkeleyでいちご白書🍓が始まったころ(笑。要するに、公民権運動後の学生運動です✌✌✌)から、自分たちが信条とする生活の実現を求める多くの若い人たちが北上してきて住みついた、と言われています。

そのためでしょう、EugeneをはじめとするOregonの多くの都市や街はHippie文化を色濃く反映させています。

リバフェニの両親もそうした学生運動から派生したいち新興宗教の信者だったと聞いています。

(狂信的なカルト集団だった、とどこかで見かけたこともありますが・・・)

どういう道のちでMadrasまでたどり着いたのか、いまとなっては大昔のことでよく覚えてはいません。

覚えているのは、「今日もRiverの生まれた町にたどり着けなかった」という、悔しい感情です。

それも何度か感じたという記憶。そしてある日にとうとうたどり着けたのは、たしか、さまざまな道順を試みて、この行き方が一番安全でたどり着けた、というのじゃなかったかな。

●一筋縄ではいかない、Madrasへの道

いちど、かなり奥地まで入ってしまい、ほぼ行き止まりのような細い山道で断念し、引き返した記憶があります。

右側は断崖絶壁でした。

あのときガードレールもない道から崖が見えて一瞬、恐怖心を感じましたが、「恐怖を感じては正しい行動はできない」、ということを私は幼いときから無意識にすでに理解していたので、クリアな頭で、ブレーキを踏みながらサイドブレーキを引き、ギアをバックに入れて、崖からいちばん遠い、山肌にある少しくぼみのあるところまで車を寄せてハンドルを切り、たったいま来た道を来た通りに戻ることだけを意識して、ブレーキを外してゆっくりとアクセルを踏みながら、引き返すことに成功しました。

いま地図を見返してみると、いちばん安全で確実にたどり着ける行き方は、「EugeneからPortlandまでI-5で車で約2時間弱、北上してから、I-84をひたすら東に進んで、Oregon富士と日系人の間で呼ばれる線対称な姿が美しい、Oregonで一番高い山、Mt. Hood付近まで走り、Dallas Portのあたりで197号線に入って今度はMt. Hoodを右手に、197号線の曲がりくねった山道をひたすら南下」。

そうして約1時間ほどで視界が開けたあたりが、Madrasです。

iPhoneはもちろん、ガラケーすらなかった時代によくもたった独りで、あんな暑い高地に行けたもんです。

こうだ、と思ったら即、やりたくてしょうがないのが私の生まれ持ってのサガです。

友だちにも行先を告げず、「今日、行く」と決めて、即、決行したその日。

人っ子ひとりいないオレゴンの山中でエンストしたりしたら、どーしたんでしょうね。

これも、いつもお守りくださっている天の存在のみなみなさまがたのおかげです。笑

●ご参考までに「映画」

*上記の「スタンド・バイ・ミー」や「オレゴンから愛」以外でオレゴンのイメージとしては・・・

1) 映画「シャイニング」(“Shining”)

グレゴリアンチャントの「怒りの日」がかかるオープニングのシーンは、コロラド山中を空中撮影していますが、ホテルの外観はオレゴンに実在する、「Timberline Lodge」で撮影されています)

2)「カッコーの巣のうえで」(One Flew Over the Cuckoo’s Nest)

1975年のアメリカ映画。

第48回米国アカデミー賞の作品賞、監督賞、主演男優賞、主演女優賞などを受賞した名作です。

10代のころに初めてこの映画を見た私にとっての大きな印象は「全体的に白っぽい画面」でした。

スクリーン全体にもやがかかったような色。

それは、病院内の白い壁と、出演者のほぼ全員が、精神疾患を抱える患者が着る白い入院服を着ていたことにほかなりません。

そして人種。

出てくる出演者のほとんどが、ヨーロッパ系白人の血を引く人たちでした。

Oregonの色に似ています。

州民の大部分がヨーロッパ系の血を少しでもひいているからです。

もちろん、その人たちのさらに多くの人は他州の米国人同様、Native Americanの血も流れているのですが。

ロケ地は、Oregonの州都 (Capital seat) Salemにあるオレゴン州立病院(Oregon State Hospital)です。

●余談・・・Oregonの州都Salemについて

*Oregon の州都はSalem、と私が言うと、「あれ?」という顔をする日本人にときおり出くわします。

Portland、だと思ってるんでしょうね。彼・彼女はOregonの州都。

違いますよ。

PortlandはOregonいちの大都市ですが、Capital seatは、Salemです。

円形型をした立派な州議会がSalemにはあります。

ひと昔前、「Salem」というアメリカたばこがありました。

このテレビコマーシャルを日本で観るたび、私はOregonの州都に思いをはせたものです。

そのたばこのキャッチコピー同様、さわやかな風かおる町です。

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